歯周病は治ります

  食後すぐにできる歯垢(しこう)は多くの細菌の集まりです。歯垢が長くついたままでいると、血行が悪くなり、栄養素、酸素が行きわたらなくなり、老廃物が停滞し新陳代謝も悪くなります。歯周病を患っている人の多くが、おおよそ顔色が優れないのはこの理由によるものです。細菌は血液の流れにのって移動し、肺炎や糖尿病、脳梗塞などの深刻な病気に加え、妊婦の早産や低体重児の出産にまで関与していることもわかってきました。口腔内でトラブルが起これば、その影響は全身に及びます。
 歯周病は、歯を支えている歯根膜(根っこと骨をつないでいる繊維組織)を失い、気付かないうちに骨のなくなる病気です。正しい「はみがき」の仕方を身につけ、不規則で体に良くない食事のとり方を見直してみる必要があります。私達は、患者さんが初めて来院された日から治療が終わる日まで、半年、一年後の定期健診の時も、いろいろな情報を伝えています。患者さん自身が変わらなければ、私達がどの様な治療を試みようが治る兆しはありません。
 患者さん自身が諦めなければ、私達はいろいろな方法を試み、その結果を再評価しながら次の目標をたてる事ができます。失われた骨を回復させるためには、時間もかかりますが、健康を回復したときには「噛める」という大きな喜びがあります。